写真展「東松照明 愛知曼陀羅」

東松照明(とうまつしょうめい)は愛知県名古屋市出身の写真家で、
戦後の日本で活躍してきたひとりなんだそうです。
地元出身で、こういう方いらしたのね。知りませんでした。
チケットをいただいたので、愛知県美術館の写真展を見に行ってきました。 チラシの印刷がね、4色じゃないんですよ。網点も異常に細かいし。 どういう印刷?って点では(苦笑)気にしてたんですが。
展示のプリントはEPSONでの出力のようでした。
んんん…今はそうなのか。 プリントがどんなものか見たかったのですが。 でも、モノトーンの表現の幅はすごく広く感じる。 プリントをスキャン?ネガをスキャン?ああぁ職業病。
このかたの写真というか、まなざしのまっすぐさに、 見ててとても心地よさを感じました。 奇をてらった感じも、人の気をあおる感じもなくて、ただただあるがまま。 もちろん長崎の原爆シリーズ等はショッキングな絵もありますが、 でも、あるがまま。伝えることに徹する。
画面構成も変に個性を出したりしない、あるがままを一番まっすぐに伝えるための構図。 でも、整頓されていて、無駄がなくて、キレイ。
写真にできることを、丁寧につきつめてきた感じに、感動しました。
あぁ、いいもの見ました。 この企画展のシリーズは全国を巡回していて、 それぞれの地に合わせてセレクトがされてるようです。
多くの写真を撮ってきた長崎や東京ではまた違う世界が見られるんでしょうね。
ただ、この愛知県展も、東松照明氏の生まれ育った地として、 「原風景」が地元民として身近に感じられるのはとても興味深い。

岩波写真文庫「やきものの町 瀬戸」

そのなかで東松照明氏の初期の「岩波写真文庫」の 「やきものの町 瀬戸」(1955)で、自分の出身である瀬戸が見れたのは
ラッキーな偶然でした。
これは、大学から岩波写真文庫のスタッフとして就職した 東松照明氏の初期の仕事で、企画もご本人が出されたようです。
地元「瀬戸の歴史」として、過去に資料館を見たり、小学校でも少し勉強したりしましたが、 まったくピンときてませんでした。
なんというか、他の日本史と同じ感覚で、ふ〜ん…。
それが、この展覧会の写真とコメントは、私にとって すごくリアリティを持って伝わってきました。
親から聞いていた、うちのご先祖さんたちが釉薬屋さんだった頃の話しと 上手く結びついてくる感じ。
アートとはちょっと違う、これがドキュメンタリーというものなのかな、と。
「伝える」という写真の表現力を、今までとは違うかたちで感じられたおもしろい経験でした。