浮世絵師 歌川広重晩年の傑作「名所江戸百景」。2007年に行われた東京藝大での 展覧会や、現代の職人による復刻、芸艸堂出版の本について。
浮世絵「名所江戸百景」。
浮世絵師、歌川広重最晩年の傑作で、江戸の市中や郊外の景色を主題にした
120点の風景版画です。
2007年の夏、東京藝術大学大学美術館で
「芸大コレクション展 歌川広重《名所江戸百景》のすべて」という
展覧会が行われました。
東京藝術大学が所蔵していた「名所江戸百景」が貼り込み帖の状態だったため、
これを一枚一枚に剥がして修復した記念に開かれた展覧会でした。
120点全点が一同に見られるなんて、それこそ、この浮世絵が販売された
江戸の頃もなかなかない状態なんじゃないでしょうか。
展覧会会場には、名所百景をGoogle Mapsを使って現在の地図から
その場所の絵をみられるプロジェクトも行われ、これは今もネットで見ることが出来ます。
ああ、もうちょっと東京がわかれば、これ、楽しめるんだろうなぁ。
ここ数年は、歌川広重の生誕二百年記念で、この「名所江戸百景」を
現代の職人の手によって復刻させたりと「名所江戸百景」に
注目が集まっています。
この復刻は「名所江戸百景復刻物語」(出版:芸艸堂)という本で紹介されていて、
しかもそこで刷った版画が販売されている!
1点1万円って、うっかり好きな絵のやつ買いそうです。
この「名所江戸百景」、私にとっての浮世絵の入り口でした。
小学生の頃、好きだった漫画家が江戸風味が好きだったらしく、
それを探りたどっていくうちに浮世絵にたどり着きました。
最初に見た浮世絵の展覧会が、名古屋で行われたメトロポリタン美術館所蔵の名品展。
もう、理屈ぬきにかっこよかったことをおぼえています。
この時代になると、広重はすでに西洋の遠近法を確実に自分のものとして消化していました。
なので、当時まだ古い日本画をそんなに見慣れてなかった自分が、
絵としての違和感も感じなかったのが、よけいスッと絵に入っていけたのもあります。
とくに、近景と遠景の大胆な対照に、くらっとやられてたなぁ。
なので、浅草の雪景色の中の提灯の絵の「28 浅草金龍山」と、
室内の猫が窓から外を眺める「101 浅草田圃酉トリの町詣」の
2枚の絵葉書を買っていきました。
あらためて見直してみると、また違う発見がありそうです。
なるべくいい印刷で、全点載ってる画集、ほしいなぁ。