伊藤若冲がテーマの企画展の感想。若冲ファンには外せない企画展となった相国寺での釈迦三尊像と動植綵絵の再会と、全国を巡回したプライス氏の江戸絵画コレクション展。
京都の相国寺承天閣美術館(しょうこくじ じょうてんかく)で行われた展覧会。
「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」と展覧会のサブタイトルにあるのですが、
これは若冲の最高傑作と言われている「動植綵絵」と「釈迦三尊像」が、
もともとセットでこの相国寺へおさめられたのですが、お寺の事情で
「動植綵絵」を皇室に献上していたのを、お寺を作った足利義満が亡くなって
600年の記念の年の今年に、もういちどセットの状態で展示しよう、というもの。
この絵の再会は、お寺でも強く望んでいたものらしく、約30年前、この美術館を作ったときに、
再会がかなったときに、両方の絵がパーフェクトにおさまるよう設計されていたそう。
若冲人気の上に、このドラマチックな絵の再会とあって、相国寺承天閣美術館は
パンクしてました。
万博か!ってなくらい並んだよ。
でもやっぱり、部屋に入った瞬間に気持ちは全部もってかれました。
正面にお釈迦様の絵が3幅。両側に動物、植物の絵が15幅づつ。
見にきていた学生らしい女子の5人組が「この真ん中で布団しいて寝たい!」と
小声で叫んでいたのに共感しちゃったよ。
これだけの絵を若冲は、どんな気持ちで、どんだけのエネルギーで描いたんだろう。
自分のためというより、お釈迦様にむかって、かな。
美しいお釈迦様といろいろあるけど、でも美しい、この世の尊いものを。30幅も。
壮大で、ほんとに美しくて泣けました。
相国寺承天閣美術館も、ここまで混まない状態のときに、
またゆっくり行ってみたいなぁという美術館でした。
全国を巡回するプライスコレクション。
このコレクションが日本を回るのは最後との噂。
若冲はかなり好きで、ちょっと前の大きい展覧会のときに京都まで行きました。
名古屋で見れてうれしかったなー。
過去に見たのは若冲オンリーの濃いい展覧会でしたが、今回は、
若冲が注目される以前からコレクションしてきた、
プライス氏とゆー人の集めたコレクションの展覧会。
この方がね、おもしろいんですよ。卒業祝いかなにかで
親からもらったお金でスポーツカー買うはずが、たまたま連れられていった骨董屋で、
気に入った若冲の掛け軸を買ってしまったという。
今回、そのコレクションのきっかけになった掛け軸も登場しています。
この展覧会、見てみて良かったのは、作品の大半がガラスケースに入っていないという点。
どうも、ここまでの点数が直に見られるのは名古屋展だけらしいです。
屏風の展示が多いのですが、これを、ぎりぎり近づいたり、全体を見たり、
左から右から見られるってうれしい(涙) ガラスケースがあると邪魔でできませんから。
実際、掛け軸や屏風は自然光で室内で見るもの。ガラスケースが無いだけで、
それに少し近づける上に、今回の展覧会では、2点を実際に光を変化させて展示するという
実験も行われています。
屏風が多いというのもあるのですが、点数がそんなに多くありません。
若冲もさらりと押さえてある程度。ゆったりめに展示してあって。
目玉の屏風の前に、ちゃんとソファーがあるのもいい。
あと、基本的には、絵画の専門家ではない、理系のプライス氏の視点ですから。
ユーモアがあったり。ちょっと変わってたり。
いいなーというポイントが分かりやすい作品が多い気がします。
個人的にも、無名で優れた作品や、今まで見たこと無いような斬新な作品と
出会えてうれしかったなー。
ブログを利用したプライス氏の全作品紹介も面白かった。
プライス氏が作品を購入したときのエピソードや自身の作品の好きなポイントの紹介。
「(鶴が)アイスクリームに見える」だとか。ほのぼのした愛情あふれる作品紹介です。
自分の感想と照らし合わせるとおもしろいかと。
私は先入観入っちゃうのが嫌なので後で読みましたが、軽い予習にも良いかもしれません。
個人的には芦雪にはまりました。あと、京都系の元祖琳派の作品が見たくなりました…