江戸時代に活躍した浮世絵師 葛飾北斎の娘、葛飾応為(かつしかおおい)。その紹介とビゲローコレクションで見た応為の肉筆画について。
葛飾応為は葛飾北斎の三女。女の人なんです。
実際の名前は「お栄(おえい)」といいます。
応為は画号で(おうい)と読みます。由来は、父である葛飾北斎に、
オーイと呼ばれていたから…。
それを画号にしちゃうなんて。意地っ張り江戸っ子。
まぁ、北斎自身が相当な偏屈爺ではあるだろうし、その娘なので、
只者ではないことには変わりはないのですが。
杉浦日向子さんの「百日紅」という漫画で主人公として
描かれています。
そこでは北斎からアゴとも呼ばれていました。
理由は、アゴが出てたから。。
「百日紅」では、他にも江戸時代の空気が楽しめる素晴らしい本です。
漫画の他に、映画では「北斎漫画」(新藤兼人監督)では
北斎役を緒形拳さん、娘のお栄役で田中裕子さんという作品があります。
山本昌代という女流作家の小説「応為坦々録」もあるようで
(こちらは読んだことないのですが)。
少ないですが、こういう作品でも「お栄」にふれることができます
「百日紅」作中では、北斎の代筆なんかもしたりして、
たっくさん描いているのですが、実際の作品は国内では
ほんとに数点ほどしか作品が残っていません。
「百日紅」で応為にふれて、一度その作品を見てみたいと思っていました。
偶然出会えたのが、名古屋のボストン美術館で開催された企画展
『ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展「江戸の誘惑」』でした。
明治初期に日本に滞在した医師ビゲロー氏が母国アメリカに持ち帰った
コレクションの展覧会です。
もともと自分は北斎ファンで、正直この企画展にそんなに期待してなかったんですよ。
前に東京で見た北斎展が、あまりによかったので、それよりはトーンダウン確実だろうなと。
でもね、やっぱり肉筆画は完成度がすごく高くて、豪華で。
掛け軸の表装もかっこよかったりするんだよね。
いいなーと思っていたところに、葛飾応為の肉筆画が!!!
はじめて見ましたが「三曲合奏図」女性3人が演奏している絵です。
実際に見てみて。…感激。
あでやかで深くて美しくて。知ってて見てるからかもしれないけど、
ポーズや指のかたち、細かいところが「同性が描いた女性」って
感じがしました。
応為は、美人画にかけては北斎より上だったと言われていました。
(自分に無い、理想をこれでもかと描いたから。談:北斎「百日紅」より)
なんか、すごく納得…。あぁ…来てよかった!
歌川派もね、好きなんですけど。
構図やポージングや存在感は、やっぱり北斎は圧倒的でした。
美人画、多いので、着物好き、花魁好きは、見てて楽しい展覧会だったと思います。