丹下健三の魅力

丹下健三。戦後世界的に活躍した建築家です。
親元を離れて広島で高校時代を過ごし、そこで建築家を志し、 東京で大学で学び、建築事務所へ弟子入り、コンペで連勝、 そんなとき、8月2日愛媛で父が病死、急きょ帰省するも、 8月6日に空襲で母も亡くなる。そして同じ日に広島に原爆が落とされる。
思い出のある広島の復興計画に、残留放射能の危険性が心配されるも志願し広島入り。
壊滅的な被害を受けた広島の都市計画に従事。
そして、広島平和記念公園のコンペに参加、一位獲得で結実。
他の案が公園内のみを視野に入れた計画案にとどまったのに対して、 丹下健三氏だけが、慰霊碑と原爆ドームを線上に配した。
このしくみは厳島神社の海の中の鳥居と共通してて、どちらもそのしくみ自体が シンボリックで象徴的な空間になる。
その場に立つだけで神聖な気持ちになる。
当時廃墟に過ぎなかった原爆ドームをシンボルとして残すということもすごいし。 「平和を考える場所」として、このしくみを考えた人がいる。
建築家って、いろんな人、タイプがいるんだろうけど、すごいなぁ。
とくに丹下健三というひとは、大阪万博といい東京都庁舎といいシンボライズなものが 素晴らしいんですね。
実際に広島へ行って、そういう深いことが、少しでもふれられて良かったとほんとに思った。 それから、もうすこし違う視線で、8月6日をむかえられるようになる。

広島平和記念公園

毎年8月6日、ニュースでぼんやり広島の平和記念式典の映像を見ていますが、 見慣れたように見ていましたが、広島へは行ったことはありませんでした。
2006年の夏、朝、新日曜美術館で、途中からだったんだけど、見たら 丹下健三氏の作品特集のようで。
建築は、ミーハーノリで、安藤忠雄氏のは少し見ているけれど、 丹下健三氏の作品は、大阪万博とか東京都庁舎ぐらいしか知らなかった。 広島平和記念公園の設計が紹介されていて、その設計の裏側に通っている想いや、 造りから、ちょっと感動した。
こんもりした山のかたちの慰霊碑の中から見える原爆ドーム。
あたりまえのように見ていたニュース映像だけど、このアングルを、関係性を、 意図して作った人がいる。
そういうのを、はじめて意識した。それってすごい。
知ったら、今までぼんやりニュースでしか見たことのないその公園に、行きたくなった。 その場に立ってみたくなった。