愛知県豊田市にある豊田市美術館。名建築として美術館好きには評価の高い谷口吉生氏による建築のすばらしさと、特長あるコレクションについて。
豊田市の中心から少し外れた地にある豊田市美術館。
小高い丘の上に建つこの美術館の建築は、ミュージアム建築の名手、谷口吉生氏によるもの。
谷口吉生氏は、近現代美術で、世界的に有名なニューヨーク近代美術館(通称:MoMA モマ)の
増改築を担当し、他にも国内では、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、
葛西臨海水族園を作った人物です。
他の建築作品と同様、美術館の建築と、美術品やアートの関係が、
いちばん心地いい空間を味わえます。
駐車場から少しずつ美術館に近づく途中の木々、リチャード・ロングの作品のような噴水、
そしてミニマルで美しいフォルムの建物が見えてきます。
マットでストイックな壁面は、不思議な質感。完成度の高い質感のまま、
内部はとてものびやかな空間!ガラスから差し込む光が美しいです。
そして、単純なようで複雑な内部は、展示室の終わりがけに別の展示室の存在が見えたり、
通路から通ってきたはずの道が別の顔を見せたり。
単純なようで、「感じる」工夫がいっぱい施されています。けど、嫌みじゃない。
理解や評価にハードルを感じてしまうこともある20世紀美術を、ここでは、
まっすぐ心に入ってくる気がします。建築の質感に負けない、
美しい椅子や家具を味わえる図書室もおすすめです。
豊田市美術館のコレクションは、20世紀美術が中心。美術作品だけでなく、
家具やデザインに関するものも豊富です。
リアルタイムの日本美術の収集もなされていることから、
ワークショップも多く行われています。
基本的に、有名企画展を誘致するのではなく、所有しているコレクションを
ベースに企画展が行われます。
ここ数年では「gardens ガーデンズ- 小さな秘密の部屋へ」という現代アートの企画展が、
体感できるものも多く、人気が高かったです。
個人的には、常に1室で展示がなされている宮脇綾子のアップリケ作品が、
いろいろと気持ちを引っ掻き回された企画展の後など(笑)、素朴でやさしくて、
少しユーモラスな美しく、ホッとします。